ヒプマイを考察する無花果様の女

ヒプマイを考察する無花果様の女

ヒプノシスマイクの考察をせずにはいられないオタク。

ガンダムを全く知らない女オタク、閃光のハサウェイを見る

追記:2021/07/13「拷問じゃなくて尋問だよ」

小さい頃はめんつゆと醤油の違いがわかりませんでした、加藤です。

こんにちは、こんばんは、初めまして。

だいたい斉藤壮馬さんのファンをしている加藤麦茶と申します。趣味はシチュエーションCDを摂取することです。

 

ということで、閃光のハサウェイを見てきました。若い男性がメインの中で40、50代くらいの方も多くいらっしゃって、ガンダムって本当に長く愛されてる作品なんだなと、客層を見て思いました。

 

さて、サンライズを褒めちぎるのはこれくらいにして、ガンダム全く初見女オタクの感想を書いていきます。どれくらい初見かというと、ガンダムが白いか赤いか青いかくらいしかわかりません。あと親父にも殴られたことないのにの人。

一応予習しましたが、そんな知識量なのでサンライズは怒らないでください。クレームなら斉藤壮馬にお願いします。

書きたい量がありすぎたので、映画を思い出しながら場面に分けました。あと既に観劇された方向けの記事です。ネタバレしかない。

 

 

 

 

冒頭(ハイジャック〜ギギとの出会い)

Youtubeで公開されていた冒頭15分からギギに気に入られるまで。ハイジャックシーンは良すぎたので割愛します。未見であればぜひ見てみてください。

そして話の前に、この映画ドルビーシネマ上映で見ました。まじで音がやばい。すごい。あのね、ダミーヘッドマイクです。座って聞くタイプの立体音響。唐突に良い声来ると死にます。タクシーの小野賢章に殴られた。

 

ということで、本編に入ろうと思います。

空港での出会いからは、ギギの色気?というか、過剰にセクシーな女性に描かれてたり、アングルが考えられていたりするじゃないですか。その時点ではギギは不思議でちょっと謎めいた大人っぽい女性になっていて。そういう女性にハサウェイはドツボを突かれて(ちょっと近寄りがたくて厄介だな、変で綺麗だけど)という感じじゃないですか。

まあたぶん、ギギとしてはなんとなく勘で軽口言ったら当たったみたいな感じだと思うけど。はぐらかせばいいのにハサウェイ正直か?と思った。人に当てられやすい性格なのかもしれない。ギギが本当に見抜いてる可能性もなくはないが。

それにしても、ギギの脚の影の付き方に並々ならない執念を感じる。ふくらはぎとか太もものさ、骨と肉の間の平な影?わかりすぎる。

あとスーツの絵超すごい。上流階級っぽいというか、仕立ての良さを感じる。ちなみに後に僻地勤務の職員という少しランクが下がったキャラが出てくるのですが、ダボダボにノータイのスーツ着てましたね。この映画、服装に階級がよく表れてる。

 

ホテル(空港〜市中回遊)

車中、ハサウェイの囁きとギギの色気で頭ぶん殴られた。クラクラする。

このガンダム作品、声優のキャスティングやキャラデザ・主題歌といい、リブランディングガンダムを知らない層の取り込みにかかってると思うのですが、もうね、こういうパワーあるシーン見せられるとホイホイされてしまった。とにかくかっこいい、渋い。

なんか見たいものがポンポン勝手に出てくるみたいな映画で途中から怖くなる。美女とイケメンと良い声と軽薄だけど真に強いおじさん、戦闘シーン、ラブロマンス。フルコースの美味すぎて怖いくらい。

あと、ギギが大佐連れてきたシーンがかわいかった。ハサウェイに嫉妬してほしかったやつね。ギギがこれまでもずっとそういう生き方をしてきたんだろうな、っていうのがちょっと伺えるというか。ミステリアスなのに少女っぽくて好き。

あとあれだ、ミヘッシャ(メガネの子)たちと行ったファストフード店。ハサウェイが外のテーブルに肘ついてる後ろ向きのカットあったんだけど、スラックスドえっちやんけってガン見しました。反省してもう一回観に行きます。

 

 

戦闘シーン(ホテル爆撃〜市街戦)

まずホテルが爆撃されるシーン。なんの罪もないホテルと人々に「すまんな」で攻撃を打ち込むガウマン(cv.津田健次郎さん)

もうただのテロなんだよな。

そしてエレベーターの不倫おじさんおばさんシーン。災害時特有のおっそろしい閉塞感で何言ってるか全然わかんなかった。たぶん、この場本当にそういう空気なんだなっていう。見ててのまれた。

そして、本作で一番迫力があったと言っても過言でない市街戦闘。今までのガンダムで戦闘シーンがどうなのかっていうのはあまり存じ上げていないのですが、初見のオタクにはありがたいシーンだった。

なぜならガンダムがなんなのかよくわからなかったので、まずあんな大きい機体なんだ...っていうのが市街地の戦闘でよくわかった。と思ったけど、モビルスーツガンダムの違いが全く分からなかった。しかし知らなくても迫力だけで圧倒された。絵のパワーが凄い。

あとアニメーションというか実写映画みたいなアングルで、地上から見た視点がリアリティありすぎて怖い。

そしてギギの演技に関して。インタビューで『あんなに飄々としていたギギが、戦闘を間近にすると取り乱して動けなくなるというのはどういう...と思ったけど、監督の「愛人として生きていかなければならない原因に、戦争があったのではないか」と言われて演じられるようになった』と上田さんが仰られていましたが、このシーンのギギの迫力がほんと鬼気迫るというか、終始叫んでいるだけなんですけどそれがあまりにも本物の叫びでしかなくて記憶なくしました。すごい演技だなと思う暇もない。

あと出会ったばかりのあのギギが、死を間近に感じる状況になってどうしようもなくなる様子と、それに寄り添ってしまいどことなく離せないハサウェイの心の距離感が絶妙すぎて息できん。特に説明とかはないし、セリフも少ないんです。

でも、画と嗚咽と呼吸だけで想いが伝わる。このシーンだけで見る価値あります。

 

ダバオ市内(市民の暮らし)

マフティー・ナビーユ・エリンという思想に揺らぐ様子が描かれるシーン。

「明日がどうなるかもわからない」という市民の意見と、マフティーの掲げる理念の乖離にハサウェイが思い悩む様子が描かれています。余談だけど、この辺の絵の雰囲気がGHOST IN THE SHELLに似てるなと思った。哲学色が強い。

というか虐殺器官といい、この日常と戦闘の対比が村瀬監督の作品はよく効いている。

あと軍の食堂で3人が会話するシーン。ギギとケネスの会話ですね。ああいうやり取り個人的には好きなんですけど、女性向け作品にはなくて。炎上しちゃうから。しかし、こういう男性向けで見られて良かった。こういう会話劇の中にしかない渋みってやはりあると思うので。

 

マフティー基地

仕立ての良いスーツを着ていたハサウェイが、基地についた途端に革靴をポイと脱ぎ捨てていたカットが超印象的。元々上流階級の出身ながら、それを自ら放り出したという演出だと思う。

そしてこの辺りからのストーリーは、たぶんガンダムをわかっている人向けだと思った。ちょっと複雑な構造だったと思う。難しかった。

ケネス大佐が拷問かけてたシーンウヘェ〜ってなった。マジ痛そう。津田さんの演技が最高。

拷問じゃなくて尋問だそうです、あれは確実に尋問です。連邦軍の皆様大変申し訳ございません。諏訪部さん大変申し訳ございません。

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宇宙

この辺からストーリーあやふやになってきた。何を宇宙に取りに行ったのかあの浮遊してたのはなんだったのか、初見でちょっとわからないまま見てたけど、浮遊してるシーンの緊迫感が半端なくて見入った。

というか、当たり前と言えば当たり前なんだけど、無重力なんですよね。無重力の描き方が素敵すぎんか?冒頭のハウンゼンから思ってたけど、あの絶妙なフワフワ感がたまらない。ギギの髪とか、シートに座ってた坊ちゃんのカットとか。

 

ペーネロペーとの戦闘シーン

閃光のハサウェイだった。

グリーンの閃光と、オレンジの閃光が交わって火花が散る。それだけでこんなにかっこいいという衝撃。

人質にされてたマフティー戦闘員を空中キャッチするシーンめちゃくちゃ良かった。すごい、すごい。ていうかあそこで人質解放しちゃうレーン・エイムの若さと自信過剰よ。そういうとこやぞ。

市街地戦闘の時からガンダムの操縦席アングルはあったけど、このシーンの目まぐるしく変わっていく視界がリアルですごかった。ガンダム乗ったことないけど。本当に目が回る。4DXでも観たくなってきたな。

ペーネロペーが撃墜されて、レーンが水上に現れるシーン。逆光の中にただ静かに在るその若さがしんどかった。そして同時に、こいつは成長するんだなという背中だった。知らんけど。

 

終演(マフティー陣営の勝利〜ギギとケネス)

君ハサウェイの女か!????ってなった。誰だお前許さん。

勝利に沸くマフティー陣営で終わるこの感じ、絶対不幸で終わるやつじゃん。わかりますよ。この映画3部作なんですよね。マフティー陣営が負けるんですね。

結局ケネス大佐につくことにしたギギ。だけども、あの状況でハサウェイが行方くらましたらケネス大佐につくしかない。彼女の本当の心の内は誰にもわからない。

 

さいごに

ハサウェイは、たぶん自分のことをわかってくれる人を心の底では探してたんでしょうね。空港でギギに正体を当てられた時も、はぐらかせばいいのに受け入れてしまった。それが彼の運の尽きだなと。テロリストのくせに他人にわかってもらおうとしてる時点で支離滅裂ですよ。

でもそういう、割り切れない心の内こそが人間だと思うし、なぜガンダムという物語が面白いのか、その一端を見た気がします。あと戦闘の迫力が段違いだった。怖いしかっこいい。あと表現がちょっと間違ってるかもしれないけど、人同士の戦闘にはない空虚さと強烈さがある。政府と反政府組織という枠組み故なのか、わかんないけど。

 

hpmi.hateblo.jp