ヒプマイを考察する無花果様の女

ヒプマイを考察する無花果様の女

ヒプノシスマイクの考察をせずにはいられないオタク。

アイドルの話①

雨が降ったり止んだりしていて、窓の開け閉めに戸惑う夜です。

加藤麦茶と申します。

 

アイドルの話をしていて思い出した話がありまして、筆をとりました。とはいえ、ちょっと書くか悩みました。実際に友人だった人たちの話なので。

今現在、私がブログにあげさせてもらっている友人たちは、ここに登場していることを知っています。器が広い人ばかりで助かっています。

しかし今回は、もう友人と呼ぶほどではないかも、という疎遠になった人たちの話です。なのでなんというか、本人たちの知らないところで語るのはちょっと申し訳ないなという気持ちもあった。でもおそらく、もうこの話を覚えている人もいないだろうし、実名をあげなければ時効かもと思い、書くことにしました。インターネット上だしそこまで気遣う必要はないのかもしれませんが⋯⋯。なんか本当に匿名のところで書こうかなとも思っていたけど、大丈夫な気がしてきました。それほど重いものではないので、フィクションのお話として読んでいただければ幸いです。

 

インターネット掲示板をよく使うオタク、もといファンというのは多いと思います。アイドルについてのトピックは2つあるのですが、どちらもアイドルとファン、そして掲示板に関わる話題になります。あとはツイッターかな。別に人が死んだとかそういう話じゃないので、昔あったことをたらたらと話します。書いていたら長くなったので、今回は1つの話題について書きます。

 

ところで皆さんは推しのスレをみたことがあるでしょうか?

インターネット掲示板は9割9分が悪口や誹謗中傷で占められているため、人にオススメはできないものです。実際「見ている」ということも人に言わない方がいいとされています。私も基本見ません。何かツイッターで不穏なことがあった時とか、理由がわからない時は稀に見に行きますが。

ひとまずそういう場所があるということです。実はこのたぬきという掲示板、V系のファンが元々使っていた掲示板から派生して、今は声優さん、配信者さんに関する掲示板もあります。という中で、アイドルを専門にしている板もあるのです。実は最初に見た掲示板はここでした。ドルオタの友達が叩かれていたので。

 

高校からの友人で、その子は専門学校に通いながらある地下アイドルを推していました。最初どういういきさつでハマっていったのかはわからないのですが、気が付いた時には相当入れ込んでいて、一回1000円のチェキを周回するレベルでした。

というか、チェキ文化自体の説明をすると、アイドルがチェキを一緒に撮ってくれるんです。これがわりと密で(?)私も彼女についていって現場を見たことがあるのですが、なんだろう、アイドルが腰抱いてくれて近くで「今日もかわいいね!」って言ってくれる感じかな。たぶんその子が相当貢いでいたからというのもあるのですが。

それを荷物番しながら虚無の顔で眺めていたわけです(それ以降ついていくのはやめました)

彼女は、そのアイドルが出るといえばどこでも飛んでいき、またチェキを撮る。もちろん毎回万単位の出費です。いつの間にか彼女は専門学校を辞めていました。職業が何だったかはご想像にお任せします。

 

ある日ライブ会場に行く途中、ロリータ服を着た女の子が後ろを通ると彼女が言いました。「TOだ」TO?と尋ねると衝撃的な答えが返ってきました。トップ・オタクだそうです。めちゃくちゃ笑いました。ちなみに彼女は「トップ・オサイフだけどね」と言っていました。オタクってたまに面白いこと言いますよね。

まあそんな感じで、私が何か言っても無駄だなと思いながらLINEには応じていた日、とうとう彼女がアイドルと繋がりました。どうやったの?と尋ねたら「普通にDMが来たよ」と返されました。普通に怖いなと思った。普通に?裏垢からDMが来て会おうよと言われたらしい。まあでも⋯⋯そうか、と思った。なにせ彼女は顔が良かった。顔が良くてスタイルが良い。誘われたその日、サンシャインシティに一緒に遊びに行ってそのままホテルへGOしたそうです。私が部外者だからってそんなにペラペラ話していいのか。

 

ということで、そこから何があったのかわからないが、彼女はとうとう推しの家に居候し始めました。洗面台の前で撮った推しとのツーショット写真なんかが送られてきましたが、なんかもうそれで幸せならいいような気がしてきた⋯⋯というのは甘かった。

彼女はツイッターのオタクアカウントで匂わせをし始めました。推しが衣装で着ていたベストを着た写真をあげるとかね。立派すぎる匂わせです。個人的には、そのアイドルがツイッターで「UFOキャッチャーでとった!」ってシナモンのぬいぐるみアップしてた裏側で、彼女が取ってもらった!って鍵垢でシナモンの写真あげてたのが印象深かった。なんか、なんだろう、一周回ってすごいものを見ているのでは?みたいな気持ちになってきてました。別にその界隈に興味ないからわーおもしろいで終了してたけど。もし今のオタクの私が、同じ状況で他のファンにそれされたら普通にブチ切れるし罪深いなと思う。なんだろう、匂わせなんかする女と付き合う推しが許せないって思う=そんな人間を推していた自分がバカすぎて許せない、みたいな。

もちろん掲示板でも叩かれていました。「〇〇は匂わせやめろ」みたいな。あんま興味なかったのと操作感がわからなかったからちょっとしか見なかったのですが、わりと「でも可愛いからな」みたいな意見もあった気がする。

 

まあそんな色々な事情は端から見ていたくらいではわからなくて、匂わせをしながらも彼女は彼女なりに別問題で悩んでいました。元カノと切れてくれないと。どうやら「友達がくるから明後日までに部屋片付けといて」みたいなことを言われたようです。クズすぎて面白いです。

池袋のやきとりセンターで「引っこ抜いてきた」と推しと元カノのLINEのログを見せられました。もはや犯罪スレスレやんけと思いながら見せてもらったのですが、ディアボリックラヴァーズの方がマシでした。人生であんなに寒気と笑いが一緒にきたのは初めてです。空想は現実を超えられないと思った瞬間です。

 

そんなこんなで、私は途中から見ているのもしんどくなり、彼女の鍵垢をブロ解しました。別に匂わせマウントをしているのを見ていることに面白さを感じなくなりました。一度彼女の現場について行きましたが、いつものメンツ、みたいな感じで数人の女子でつるんでいるのを見ながら(あの中にも掲示板に書き込んでいる人がいるんだな⋯⋯)などと考えていました。なぜ女子は表面的に仲良くするのがあんなに上手いのでしょうか?どうでもいいですが、竹下通りの商業施設でライブがあった時、買ったメロンパンアイスの店のギャル店員が態度悪かったという理由でみんなで圧かけに行ったのを見た時に人種が全然違うなと思いました。あれからメロンパンアイスのことなんか好きになっちゃったんだよな。

 

その後、しばらくインスタのストーリーに「自分のこと幸せにしてくれる男探そうと思う」とか色々投稿されていましたが、彼女自身の活動が多くなると同時に減っていきました。そうです、なんと彼女は地下アイドルになっていました。そんなことある?

ということで、その美貌でアイドルとなり、それも引退した彼女はまともな一人暮らしをしているようで。ひとまずキャリーケースと引っ越しの画像を見た時はそれなりにホッとしました。今でもたまにアイドル時代のアカウントを見に行きますが、たまにコンカフェのゲストとして店長をしながらちゃんと生きているようです。

ここだけの話、死にそうだったし死のうとしたこともありましたが、この年までちゃんと生きれたのであれば今後も大丈夫なのだろうと思います。もう友人として遊ぶことはないのかもしれませんが。別世界の人だなと今は思う。たぶん価値観も合わないと思います。

 

しかしそれでも、私はこれからも彼女のアカウントをたまに見に行くのです。オタクなので。なおこの話は全て嘘です。